子どもにピアノを習わせるべきたったひとつの理由。

      2016/02/28

 この間、電子ピアノを買った。
 実は学生の頃は、実家から持ってきた(押し付けられた?)電子ピアノをアパートに置いていたのだが、今のアパートの引っ越してくるときに売ってしまった。そこそこごついタイプのものだったので、スペースを確保できなかったのだ。あんまり弾いてなかったし。
 しかし、最近、またピアノを弾きたい気持ちが亢進してきたので、コンパクトなものを買うことにしたのである。
 今は、Mr.Childrenの「365日」を練習している。というかテキトーに伴奏しながら夜な夜な歌っている(気持ち悪い)。
 ところで、子どもの習い事の王様であるせいなのか、「ピアノが弾ける」というと、「幼少期から習っていたんですね」と短絡する人が多い。しかし、私がピアノにはじめて触れたのは高校生の頃である。ギターを覚えたのよりも後のことだ。熱中したのは大学生の頃で、きっかけは『のだめカンタービレ』。完全にミーハーである。
 それでも、余興で何か1曲弾くくらいのことはできるようになった。ベートーヴェンの「悲愴」の第2楽章も学生の頃は弾けてた(もう忘れたけど)。幼児教育に執心する人は、「大きくなってからでは遅い」みたいなことを強迫的に繰り返すようだけれども、大人の学習能力も捨てたものではない。
 ただ、私自身は、もし万が一自分に子どもができたら、ピアノをきちんと習わせようと思っている。
 ピアノを自在に弾きこなせることがもたらす大きな利益を、この10年の経験の中で感じているからである。
 子どもにピアノを習わせることのメリットについては、たとえばこんなことを言う人がいる。

しかも、「ピアノのおけいこ」は脳の構造を発達させる効果まであるそうです。

①前頭連合野が構造的に発達・・・HQの長期的発達につながる

②脳りょうが   〃      ・・・左右の脳のバランスがよくなる

③小脳が     〃      ・・・運動機能や知的機能がよくなる

④海馬が     〃      ・・・記憶力がアップ→学力向上につながる

これらを、グラフなどのデータ、レントゲン写真で実際に構造が変化している様子、などをスクリーンに映しだしながら説明されました。

このように聴くと「ピアノってすごい!」という気持ちになり、そこら辺の人をつかまえて話したくなりますね

「ピアノが脳にいい理由」・・・脳科学者・澤口俊之: うちのピアノ教室

 ピアノは、脳を発達させ、「子どもを勝ち組にするために効果がある」というわけだ。幼児教育に熱心な親たちは、「わが子をクラシック界の寵児にする」というありえない夢を見ているというよりは、知育の一環としてピアノを子どもに習わせることが多いのだろう。
 が、私は、そういうことはどうでもいいと思っている。
 この不安定な世の中を生き抜くためにまず必要な能力は、勝ち組になるための資質ではない。負け組でも心楽しく生きていくための資質である。
 私の考えでは、ピアノを練習することはむしろ後者に資する。
 というのは、ピアノは、独奏時の表現力が群を抜いているからだ。
 「のだめカンタービレ」で野田恵が見せたように、技術を持つ者は、ピアノ1台で「オーケストラを再現する」ことすら可能である。楽器の王様として扱われている所以だ。
 1人でなんでもできる。
 ポイントはそこである。
 1人でなんでもできるから、ピアノを楽しむためには、「仲間」は必要不可欠な要素ではない。
 「ぼっち」でも音楽が楽しめるのだ。ピアノさえあれば。
 「ご利用人数は?」「1人です」という気まずいやりとりをしなくても、家で独りカラオケだってできる。
 こんなに素晴らしいことはない。
 ピアノは、社会的弱者にさえひとときの安寧を与えてくれるのである。
 それが、私の考える「ピアノを弾けること」のメリットである。
 ギターでもいいじゃん、と言うかもしれないがギターは高い。3万円だせば音質はともかくちゃんと音のでる電子ピアノが買えるけれど、3万円のギターはチューニングすらろくに合わない。
 バイオリン? 論外である。私は弱者の話をしているのだ。
 だから、子どもにはピアノを習わせたいと思っているのである。
 わが子が転落人生を歩んだとしても、心楽しく生きて行けるように。
 そのためには、無理に押し付けて、子どもがピアノを嫌いになるようなやり方をしてはいけないと思っている。
 いちばんよいのは、親が楽しそうにピアノを弾いている姿を見せることだろう。子どもは、大人が楽しそうにやっていることの真似をしたがるものである。
 だから、その日に備えて、今日も楽しくピアノを弾くのである。
 ……独りで。
 今鍵盤に落ちたものは、断じて涙などではない。

1986年生まれ。幼少期より生き物と戯れて育つ。2011年、東京農工大学農学部獣医学科卒業。同年より小動物臨床に従事。在学中から、WordPressを利用してブログを書き始める。ニシアフリカトカゲモドキと出会った2014年に内容を一新、爬虫類ブログ「とかげもどきのしっぽ。」を立ち上げ、現在に至る。ニシアフリカトカゲモドキをはじめ、多くの爬虫類と暮らしている。

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