猫はほんとうにきれい好きなのか。

      2016/03/18

 仕事を終えて家に帰ったら、猫がまとわりついてきた。
 だっこ、だっことうるさいので、抱き上げて撫でてやる。
 と、手に不吉な感触のものが触れた。
 見ると、猫のお尻の毛に、親指の先ほどのウンコが絡まっているのだった。
 マジかよ。
 私はため息をつくと、ウェットティッシュを1枚引き抜き、猫のお尻を掃除してやった。そして手を洗った。
 うちの猫は、どうにも衛生観念に乏しいらしく、前にも同じように、ウンコをぶら下げて歩いていたことがあった。下痢をしていて図らずも体についてしまった、というわけではない。普通の、健康的なウンコを、排泄した後にその上に座るか何かしてくっつけて来るのだ。
 猫にあるまじき振る舞いである。
 お前ら、獲物に気付かれないように体は常に清潔にしてるんじゃなかったのかよ。
 思い返してみれば、実家の猫も、きれい好きとはとても呼べないような姿をしていた。
 狭い隙間などに潜り込んで、ホコリまみれで出てくるのだが、まったく意に介せず放置するのである。毛づくろいをしても下手くそで、脇腹の一部分をよだれでびしょびしょにするだけで満足したりしていた。
 おかげで、アレルギー性鼻炎&結膜炎を持っている私は、猫に近寄られると涙と鼻水が止まらなくなるのだった。
 くしゃみをすると、実家の猫はうるさいと文句を言った。
 誰のせいだよ。
 断っておくが、実家の猫もうちの猫どもも、ソマリやノルウェージャンフォレストキャットやペルシャのような毛玉猫ではない。ただの猫である。
 それなのに、毛づくろいを完遂できない。
 情けない事この上ない、と思う。
 犬に比べると、猫は無臭で、清潔だと猫派の人々は主張する。
 私もかつてはそう主張していた。
 しかし今、私は間違っても、そんなことを言う気にはなれない。
 時々臭いさえするからだ、うちの猫は。
 水の要らないシャンプーの購入を飼い主に検討させる猫。
 飼い猫のズボラは、もはや全方位に及ぶのではないかと、最近私は疑っている。

1986年生まれ。幼少期より生き物と戯れて育つ。2011年、東京農工大学農学部獣医学科卒業。同年より小動物臨床に従事。在学中から、WordPressを利用してブログを書き始める。ニシアフリカトカゲモドキと出会った2014年に内容を一新、爬虫類ブログ「とかげもどきのしっぽ。」を立ち上げ、現在に至る。ニシアフリカトカゲモドキをはじめ、多くの爬虫類と暮らしている。

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