ヘビに嫌われた

      2016/03/19

 ヘビに嫌われた。 冬の間、しつこくし過ぎたせいである。
 ヘビのポールは、年末あたりから、まったく餌を食べなかった。先週、久々に食べるまで、2ヶ月半、水以外は何も口にしなかった。
 もともと、冬になると自然と餌を食べなくなる生き物なので、気にしなくてもよかったのだろうが、不安になった私は、ちょっとヘビを構い過ぎてしまった。毎日何度も餌を鼻先に差し出したり、冷凍マウスがダメなら生きてるのはどうかと放り込んでみたり、マウスがダメならハムスターはどうかと試してみたり、少し痩せてきたのを見てアシストフィードをしてみたりと、要らんことをあれこれ試してしまった。そういうものだと頭ではわかっていても、今年生まれの子ヘビということもあってどうにも心配だったのだ。
 その結果、それは見事に嫌われた。
 うちに来た頃は、ピンセットで差し出した餌にその場で食いついていたというのに、今は私の見ている前では近寄ろうともしない。夜、餌をケージに入れておくと、私が寝ている間に食べている。
 それどころか、ケージの中をうろついていても、私の存在を認識すると即座にシェルターの中に逃げ込む始末である。
 完全に、私のことを敵だと思っている。 失敗である。 2、3回でも試したら、あとは腹を括って、放って置くべきであった。
 かように私は、「引き際」を見極めるのがニガテである。
 「引き際」を見誤ったせいで、無用なトラブルを招いたことは、過去、数限りなくある。敵も多い。詳しくは語らないが。
 ヘビにまで嫌われるハメになるとは思わなかったが、これが業というやつなのかもしれない。
 境界線が、目で見えるように張ってあればいいのにといつも思う。
 そんなことを言っているうちは、永久にモテ期などこないのであろう。

1986年生まれ。幼少期より生き物と戯れて育つ。2011年、東京農工大学農学部獣医学科卒業。同年より小動物臨床に従事。在学中から、WordPressを利用してブログを書き始める。ニシアフリカトカゲモドキと出会った2014年に内容を一新、爬虫類ブログ「とかげもどきのしっぽ。」を立ち上げ、現在に至る。ニシアフリカトカゲモドキをはじめ、多くの爬虫類と暮らしている。

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