寝室を乗っ取られつつある

      2016/03/18

 私は、寝室でトカゲモドキを飼っている。
 家の中で、猫が自由に出入りできないのはそこだけだからである。
 うちの猫たちは過去に布団で粗相をしまくった経歴があるので、私は彼女らを絶対に寝室には入れない。
 結果として、猫の脅威から隔離することが必要な小動物たちが、そこに置かれることになっている。
 このアパートに越してきた直後は、それでまずまずうまくいっていた。
 寝室にいるのがボールニシキヘビのポールとヒョウモントカゲモドキのこだまとアホロートルのヌオーだけだったときには、とくに困ったことは発生しなかった。こだまとヌオーははじめから人を怖がったりしなかったし、ポールにしても週に1度マウスを与えるときだけそっとしておけばよかったからだ。
 しかし、最近になって、ちょっとばかり問題が発生してきている。
 “トカゲモドキ熱”の発症によって一気に個体数を増やしてしまった結果、「常に人馴れしていないトカゲモドキが部屋にいる」という状態になってしまったからである。
 私のビョーキによって我が家にやってきたのは、すべてヒョウモントカゲモドキより臆病な性格のニシアフリカトカゲモドキだ。彼らは、こだまのように、はじめから人を怖がらない、という呑気さは基本的に持ち合わせていない。2年間もホームセンターに売れ残っていて人の目に晒され続けてきたくぬぎでさえ、未だに私がいるときは、シェルターからほとんど出てこないくらいだ(餌を入れると出てくるが)。とりわけ連れ帰ってきた直後の彼らは、警戒心に満ち満ちている。
 たまにケージの中を歩きまわっていても、私と目が合うとそそくさとシェルターに潜り込んだりする。
 そんな彼らを矢継ぎ早に連れ帰ってきた結果、私は寝室では常に、新入りに配慮して息を殺すように行動しなくてはいけなくなってしまったのである。
 今のところは、東レプで買ってきたホワイトアウトのふじに気を使わなければいけない状態だ。
 たとえば私は、寝室に用があっても、ドアを開けて、ふじがシェルターから出てきていたら入るのを諦める。今まさに、餌を食べに出てきたところかもしれないからだ。来たばかりのふじには、とにかくまず落ち着いて餌を食べてもらわなければならない。驚かせて、それを邪魔するのはうまくない。というよりは、今日餌を食べなかったのはあのとき驚かせたからではないか、と気を揉むのが嫌なので入らない。
 ベッドに入ったら、電気を消してすぐに寝る……というのは嘘だな。電気を消して、掛け布団の中でバックライトの光が漏れないようにTwitterする。ベッドでの読書は、明るくしているとふじが警戒するのではないかと思って控えている。
 そんなわけで、自分の寝室なのに、なんだか他所の家に来たような感じになっているのである。
 寝室を、トカゲモドキに乗っ取られているわけだ。
 まあ、寝室のドアをそおっと開けて、ふじが歩きまわっているのを確認すると「おお、動いてる動いてる」と嬉しくなってほくそ笑みながらドアを閉めているわけで(そのあと意味もなく猫をもみくしゃにしたりする)、それが楽しい部分が大半ではあるのだが、生き物を飼うと、ほんと生活の中心を生き物に持っていかれるよな、と改めて感じている。
 いずれは、専用の飼育室を持ちたいものである。 私は、寝室でトカゲモドキを飼っている。
 家の中で、猫が自由に出入りできないのはそこだけだからである。
 うちの猫たちは過去に布団で粗相をしまくった経歴があるので、私は彼女らを絶対に寝室には入れない。
 結果として、猫の脅威から隔離することが必要な小動物たちが、そこに置かれることになっている。
 このアパートに越してきた直後は、それでまずまずうまくいっていた。
 寝室にいるのがボールニシキヘビのポールとヒョウモントカゲモドキのこだまとアホロートルのヌオーだけだったときには、とくに困ったことは発生しなかった。こだまとヌオーははじめから人を怖がったりしなかったし、ポールにしても週に1度マウスを与えるときだけそっとしておけばよかったからだ。
 しかし、最近になって、ちょっとばかり問題が発生してきている。
 “トカゲモドキ熱”の発症によって一気に個体数を増やしてしまった結果、「常に人馴れしていないトカゲモドキが部屋にいる」という状態になってしまったからである。
 私のビョーキによって我が家にやってきたのは、すべてヒョウモントカゲモドキより臆病な性格のニシアフリカトカゲモドキだ。彼らは、こだまのように、はじめから人を怖がらない、という呑気さは基本的に持ち合わせていない。2年間もホームセンターに売れ残っていて人の目に晒され続けてきたくぬぎでさえ、未だに私がいるときは、シェルターからほとんど出てこないくらいだ(餌を入れると出てくるが)。とりわけ連れ帰ってきた直後の彼らは、警戒心に満ち満ちている。
 たまにケージの中を歩きまわっていても、私と目が合うとそそくさとシェルターに潜り込んだりする。
 そんな彼らを矢継ぎ早に連れ帰ってきた結果、私は寝室では常に、新入りに配慮して息を殺すように行動しなくてはいけなくなってしまったのである。
 今のところは、東レプで買ってきたホワイトアウトのふじに気を使わなければいけない状態だ。
 たとえば私は、寝室に用があっても、ドアを開けて、ふじがシェルターから出てきていたら入るのを諦める。今まさに、餌を食べに出てきたところかもしれないからだ。来たばかりのふじには、とにかくまず落ち着いて餌を食べてもらわなければならない。驚かせて、それを邪魔するのはうまくない。というよりは、今日餌を食べなかったのはあのとき驚かせたからではないか、と気を揉むのが嫌なので入らない。
 ベッドに入ったら、電気を消してすぐに寝る……というのは嘘だな。電気を消して、掛け布団の中でバックライトの光が漏れないようにTwitterする。ベッドでの読書は、明るくしているとふじが警戒するのではないかと思って控えている。
 そんなわけで、自分の寝室なのに、なんだか他所の家に来たような感じになっているのである。
 寝室を、トカゲモドキに乗っ取られているわけだ。
 まあ、寝室のドアをそおっと開けて、ふじが歩きまわっているのを確認すると「おお、動いてる動いてる」と嬉しくなってほくそ笑みながらドアを閉めているわけで(そのあと意味もなく猫をもみくしゃにしたりする)、それが楽しい部分が大半ではあるのだが、生き物を飼うと、ほんと生活の中心を生き物に持っていかれるよな、と改めて感じている。
 いずれは、専用の飼育室を持ちたいものである。

1986年生まれ。幼少期より生き物と戯れて育つ。2011年、東京農工大学農学部獣医学科卒業。同年より小動物臨床に従事。在学中から、WordPressを利用してブログを書き始める。ニシアフリカトカゲモドキと出会った2014年に内容を一新、爬虫類ブログ「とかげもどきのしっぽ。」を立ち上げ、現在に至る。ニシアフリカトカゲモドキをはじめ、多くの爬虫類と暮らしている。

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