動物を買うときは「何を食べていたか」をちゃんと訊こう

      2016/03/23

 しばらく前にこんなツイートをした。

 ツイートに登場しているトカゲモドキは、うちに来てから、なかなか餌を食べてくれなかった。他のトカゲモドキに与えている生きたコオロギを与えてみても食べず、足や触角が嫌なのかと思ってそれらをもいで与えてみても食べず、ゴキブリ類を与えてみても食べず、ハニーワームすら食べなかった。興味は示すのだが、数度舐めるだけで、「これはいらない」とそっぽを向いてしまうのだ。最終的に、「コオロギの匂いを移したミルワーム」なら、イマイチという顔をしながら食べることがわかったのでしばらくそれを与えていたのだが、なかなか好物がわからなかった。
 ところが、トカゲモドキの数が増えてきたので管理の楽な冷凍餌に切り替えようと思って、大手餌メーカーから取り寄せた冷凍コオロギを試しに与えてみたら、「これを待っていたんだ!」と言わんばかりに猛烈な勢いで食いついたのである。ミルワームをイヤイヤ食べていたときとはまるで反応が異なることに驚き、また、好物が判明して嬉しくもあったので、私は思わずツイートをした。
 まあ、冷静に考えてみれば想定の範囲内の帰結と言えなくもない。ペットショップでキープされていた繁殖個体なのだから、なんらかの便利な餌に餌付いているのが普通ではある。
 が、逆ならばともかく、生きたコオロギは食べないが冷凍コオロギなら食べる、というのは想像しにくいパターンで、こうして偶然発見するまでは、まったく思いつくことができなかった。本来は生きている昆虫を捕まえて食べる動物なのだから、死んだコオロギよりは生きたコオロギに反応するのが普通だし、そう考えるのが普通である。
 こういうことがあるから、動物飼育はやっかいである。
 人間の目には同じコオロギに映っても、ものによって匂いや味に違いがあって、トカゲモドキにはより細かい好みがあるのかもしれないのだ。
 ただ、このケースでいえば、あらかじめショップの人に、何を与えていたかを聞いておけば悩むことはなかった。それを怠った私に非がある。
 爬虫類は猫よりも食べ物にうるさく、適切な餌であっても食べ慣れないという理由で食べないことがある。
 動物を飼うときは、何を与えていたかをきちんと確認しなければならない。

1986年生まれ。幼少期より生き物と戯れて育つ。2011年、東京農工大学農学部獣医学科卒業。同年より小動物臨床に従事。在学中から、WordPressを利用してブログを書き始める。ニシアフリカトカゲモドキと出会った2014年に内容を一新、爬虫類ブログ「とかげもどきのしっぽ。」を立ち上げ、現在に至る。ニシアフリカトカゲモドキをはじめ、多くの爬虫類と暮らしている。

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