生き餌の手柄

      2016/04/16

先日ブログに書いた通り、私は冷凍コオロギと活コオロギを併用している。

餌の無駄を減らすための試行錯誤の結果であることは先の文章の通りだが、実は活コオロギをキープしていることにはもうひとつ理由がある。

活コオロギをキープしていると、「あること」が簡単になるのである。

飼育部屋でメンテナンスをしている時に、ケースの中のトカゲモドキと目が合うことがある。

トカゲモドキたちは「私=餌」だと思っているので、私の姿を認めると、餌をもらえるのではないかと出てくるからだ。

とりわけ、隣のケースのコオロギを追いかけるほど食い意地の張ったやまももはその傾向が強く、いつも首を伸ばしてこちらを覗き込んでは、一挙手一投足に反応している。

そういう様子を見せられると、飼い主としてはついつい、せがまれるままに餌を与えたくなる。給餌予定の日ではなくても、「おやつですよー」とコオロギを差し出したくなる。

その時に、活コオロギがいると便利なのだ。

冷凍コオロギは、解凍しなくてはならない。乾燥コオロギは、水で戻さないといけない。どちらも、与えるまでにひと手間かかる。

だから、やりたくなったときにちょいと与える、というようなことができない。

その点、活コオロギなら一瞬である。ケースを開けてコオロギを捕獲し、トカゲモドキのケースに放り込むだけ。「餌をやりたい」と思ったその瞬間に、大阪のおばちゃんが飴ちゃんをくれるみたいに「おやつ」を与えることができる。

だから活コオロギを飼っているのである。

やまももの期待の眼差しに、手軽に応えることができるから。

飼育個体に愛着を持ち続けるために、猫にグリニーズを与えるような感覚でこのような「おやつ」の時間を持つことはけっこう大事だと思っている。太りやすく肥満が悪影響を及ぼしやすい種にやるのは考えものだが、トカゲモドキのように肥満が問題になりにくい種であれば、たまにはそういう時間を持った方が飼っていて楽しいだろうと思う。というか、私は楽しい。

賛否があるだろうけれども、せっかく動物飼ってるんだから、そういうこともたまにはいいよね、と私は思っている。

だから20匹を無駄にしたとしても、生き餌を置いておくわけなのだ。

1986年生まれ。幼少期より生き物と戯れて育つ。2011年、東京農工大学農学部獣医学科卒業。同年より小動物臨床に従事。在学中から、WordPressを利用してブログを書き始める。ニシアフリカトカゲモドキと出会った2014年に内容を一新、爬虫類ブログ「とかげもどきのしっぽ。」を立ち上げ、現在に至る。ニシアフリカトカゲモドキをはじめ、多くの爬虫類と暮らしている。

 - 飼育日記