ジャンボエンチョーが素晴らしい。

      2016/05/14

 ホームセンターの爬虫類コーナーにいい印象を持っていない飼育者は少なくありません。


 ネット上でも、管理の悪さや、店員の知識のなさを批判する声をしばしば耳にします。
 実際、間違った飼育環境で生体を飼育していて、「おいおい」と突っ込みたくなるようなお店は、確かに存在しています。
 けれども、ここ数年で、状況は改善してきていると言ってよいでしょう。
 爬虫類をその対象に含めた動物愛護法の改正の影響もあるのでしょうが、しっかりとした管理のもとに生体を販売してくれるお店をよく見かけるようになりました。
 静岡県に展開しているジャンボエンチョーは、そんなホームセンターのひとつです。材木店をルーツとし、「エンジョイDIY」をキャッチコピーに掲げるお店ですが、現在爬虫類飼育者の間では、「爬虫類が充実しているお店」ということで評判になっています。


 私も、最寄りの店舗である富士店をよく利用させていただいておりますが、実際、その品揃えのよさには感服せざるを得ません。
 流通量の多いヒョウモントカゲモドキやフトアゴヒゲトカゲならばメジャーな品種がほとんど扱われるばかりでなく、ツリーモニターや、最近ではピーターズバンデットスキンクといった比較的マイナな種まで取り揃えられているのです。

ずらっと並ぶフトアゴ

ずらっと並ぶフトアゴ

トカゲモドキコーナー

トカゲモドキコーナー

レッドテグー

看板娘?のレッドテグー。

アフリカオオコノハズク

アフリカオオコノハズク。猛禽も販売されている。

 生体の管理も行き届いており、明らかに状態の悪い個体を目にすることはほとんどありません。ジャクソンカメレオンもきちんと餌を食べて元気に展示されているところからは、付け焼刃ではない飼育技術が伺われます。
 平均的な爬虫類ショップとであれば肩を並べられるくらい、質も量も充実しているのです。
 ホームセンターにいい印象を持っていない人も、この売場を見れば印象が変わることでしょう。
 私がいいなぁと思うのは、爬虫類のことを、その魅力を知ってもらおうという意欲が売り場から感じられることです。
 富士店の爬虫類コーナーには、スタッフの方が自宅で飼育している爬虫類の写真が、ポップ付きでそこここに貼られています。
自作ポップ

店員さんの自作ポップ

 また、カメレオンに給餌する際には館内放送を流し、まるで動物園のように「給餌ショー」を開催します。
 「爬虫類好きでない人も訪れる」というホームセンターの特徴を利用して、そんな人たちをもあわよくば虜にしてしまおうと様々な工夫が行われているのです。
 偏見を持たれがちな爬虫類、というか爬虫類業界にとって、このような試みはとても有り難いものでしょう。
 ホームセンターの爬虫類コーナーは、爬虫類に関心のない人、わざわざ電車を乗り継いで、まわりに海と山しかないようなiZooくんだりまで出かけようと思わないような人が、爬虫類の魅力に触れうる貴重な場所です。勤め先のセンパイが、鳥を見に行ったはずなのにカメレオンに魅せられて帰ってきたのも、まさしくジャンボエンチョー富士店でした。
 その充実は、きっとこの趣味に資するところが大きいと私は思います。
 お話を伺った店員の方は、動物の専門学校を出て、できれば専門店に就職したかったが、近辺にはなかったので、エンチョーで働くことにしたとおっしゃっていました。専門店の少ない地方で次世代を育成するゆりかごとしても、ホームセンターは機能し得るのかもしれません。
 いち爬虫類飼育者として、毎年ジャパンレプタイルズショーにもブースを出展しているエンチョーグループの発展に、期待したいと思います。
 仕事帰りに爬虫類の餌を買って帰れるお店、正直他にないんだ……。

※当エントリー内の写真は、許可を得て撮影しています。店内撮影は原則禁止ですので、ご注意ください。

1986年生まれ。幼少期より生き物と戯れて育つ。2011年、東京農工大学農学部獣医学科卒業。同年より小動物臨床に従事。在学中から、WordPressを利用してブログを書き始める。ニシアフリカトカゲモドキと出会った2014年に内容を一新、爬虫類ブログ「とかげもどきのしっぽ。」を立ち上げ、現在に至る。ニシアフリカトカゲモドキをはじめ、多くの爬虫類と暮らしている。

 - 爬虫類スポット探訪