ジャンボエンチョーが素晴らしい。
2016/05/14
ホームセンターの爬虫類コーナーにいい印象を持っていない飼育者は少なくありません。
ホームセンターのペット売り場ってホントひどくて、犬猫はまだいいけど魚とか爬虫類は悲惨だ。わかってない店員が世話してるから明らかに死にかけの個体とか売ってる
— 枕目 (@MACRAME_KAZ) 2013, 4月 8
だめだ、ホームセンターの爬虫類は状態があまり良くない!
— ひかる (@hikaru0725) 2013, 5月 13
ネット上でも、管理の悪さや、店員の知識のなさを批判する声をしばしば耳にします。
実際、間違った飼育環境で生体を飼育していて、「おいおい」と突っ込みたくなるようなお店は、確かに存在しています。
けれども、ここ数年で、状況は改善してきていると言ってよいでしょう。
爬虫類をその対象に含めた動物愛護法の改正の影響もあるのでしょうが、しっかりとした管理のもとに生体を販売してくれるお店をよく見かけるようになりました。
静岡県に展開しているジャンボエンチョーは、そんなホームセンターのひとつです。材木店をルーツとし、「エンジョイDIY」をキャッチコピーに掲げるお店ですが、現在爬虫類飼育者の間では、「爬虫類が充実しているお店」ということで評判になっています。
以前から熱帯魚のラインナップに定評のあったエンチョーのペットコーナー。今は爬虫類が凄い事になってる。大半がフトアゴだけど大王サソリもいた。爬虫類好きにはたまらんが餌用のGとかもいるから苦手な人は近寄らない方がいい。 pic.twitter.com/yXzMXQHbjI
— 染 (@moro_some) 2013, 12月 7
地元のジャンボエンチョー、特殊な動物取り扱いすぎ。izooに劣らない爬虫類の品揃えの豊富さよ。テグー可愛かった。インコの雛もたくさんいました。オオハナインコのオスメスもいました。もちろん犬猫熱帯魚も。普通の量販店でこれはすごい。 pic.twitter.com/ZV4aTPooeB
— 小鳥丸@みかさん (@kotori_maru) 2014, 4月 13
私も、最寄りの店舗である富士店をよく利用させていただいておりますが、実際、その品揃えのよさには感服せざるを得ません。
流通量の多いヒョウモントカゲモドキやフトアゴヒゲトカゲならばメジャーな品種がほとんど扱われるばかりでなく、ツリーモニターや、最近ではピーターズバンデットスキンクといった比較的マイナな種まで取り揃えられているのです。

ずらっと並ぶフトアゴ

トカゲモドキコーナー

アフリカオオコノハズク。猛禽も販売されている。
平均的な爬虫類ショップとであれば肩を並べられるくらい、質も量も充実しているのです。
ホームセンターにいい印象を持っていない人も、この売場を見れば印象が変わることでしょう。
私がいいなぁと思うのは、爬虫類のことを、その魅力を知ってもらおうという意欲が売り場から感じられることです。
富士店の爬虫類コーナーには、スタッフの方が自宅で飼育している爬虫類の写真が、ポップ付きでそこここに貼られています。

店員さんの自作ポップ
「爬虫類好きでない人も訪れる」というホームセンターの特徴を利用して、そんな人たちをもあわよくば虜にしてしまおうと様々な工夫が行われているのです。
偏見を持たれがちな爬虫類、というか爬虫類業界にとって、このような試みはとても有り難いものでしょう。
ホームセンターの爬虫類コーナーは、爬虫類に関心のない人、わざわざ電車を乗り継いで、まわりに海と山しかないようなiZooくんだりまで出かけようと思わないような人が、爬虫類の魅力に触れうる貴重な場所です。勤め先のセンパイが、鳥を見に行ったはずなのにカメレオンに魅せられて帰ってきたのも、まさしくジャンボエンチョー富士店でした。
その充実は、きっとこの趣味に資するところが大きいと私は思います。
お話を伺った店員の方は、動物の専門学校を出て、できれば専門店に就職したかったが、近辺にはなかったので、エンチョーで働くことにしたとおっしゃっていました。専門店の少ない地方で次世代を育成するゆりかごとしても、ホームセンターは機能し得るのかもしれません。
いち爬虫類飼育者として、毎年ジャパンレプタイルズショーにもブースを出展しているエンチョーグループの発展に、期待したいと思います。
仕事帰りに爬虫類の餌を買って帰れるお店、正直他にないんだ……。
※当エントリー内の写真は、許可を得て撮影しています。店内撮影は原則禁止ですので、ご注意ください。