動物愛護法について

      2016/04/16

 前のエントリーではCITESをとりあげましたが、爬虫類を飼う上で知っておかねばならない法律は他にもあります。
 そのうちでもっとも重要なものは、「動物の愛護及び管理に関する法律」、通称動物愛護法でしょう。これは、自動車を運転するならば道路交通法を知っていなければならない、というのと同じレベルで、爬虫類飼育者が把握しておかなければならない法律です。実際には犬猫の適正飼育を促進することを念頭に置いて改正された法律であるため、爬虫類飼育に適用するには無理のある部分も少なからず存在しますが、それでも、対象動物に爬虫類が含まれている以上、無視するわけには行きません。
 と言っても、きちんと動物を飼ってさえいれば、条文を知らずともこの法律に違反することはまずないでしょう。気を付けなくてはならないのは、おそらく以下の3つに限られます。

動物取扱業の登録

 動物愛護法では、動物の販売、保管、貸出し、訓練、展示などを業務として行う場合には、動物取扱業の登録をしなければなりません。登録をせずにこれらのことを行った場合には、罰せられます。
 飼育個体の繁殖を考える爬虫類飼育者は少なくないと思いますが、殖やした個体をイベントなどで販売しようとするならば、動物取扱業の登録が必要です。販売でなくても、恒常的に譲渡しを行う場合には業務とみなされ、登録の対象となりますから気を付けなくてはいけません。

特定動物の飼育

 特定動物とは、「人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令で定める動物」のことです。これに該当する動物を飼育する場合には、自治体の課す条件を満たす設備を整えて届出をし、首長の許可を得なければなりません。爬虫類の中で特定動物に該当するものには以下のものがあります。

  • アミメニシキヘビ
  • アフリカニシキヘビ
  • インドニシキヘビ
  • アメジストニシキヘビ
  • オオアナコンダ
  • ボアコンストリクター
  • 毒蛇
  • コモドオオトカゲ
  • ハナブトオオトカゲ
  • ドクトカゲ属
  • ワニガメ
  • ワニ全種

 飼育するための条件は自治体によって異なり、移動にも届出が必要ですから、これらの動物の飼育を始めると引越しするのも一苦労となります。計画性を持って飼育に臨まなければなりません。

通信販売の禁止

 厳密に言えば、「対面説明の義務付け」です。法律の対象となっている動物を販売する場合に、販売者は、購入者に対面で飼育に必要な事柄を説明しなければならないと定められています。そのために、対面説明のできない通信販売は事実上できなくなっているわけです。なお、一度対面での説明をしていれば、その生体を後から発送することは問題ありません。また、動物取扱業の登録者同士であれば、対面説明なく生体を発送することが可能です。
 購入者にとっても、購入の選択肢が狭められるという影響はありますが、より注意しなければならないのは販売者になったときでしょう。ブリーディングした個体を販売する際、うっかり対面説明を忘れてしまわないように注意が必要です。

 動物愛護法における爬虫類の取り扱いについて疑問を投げかける人は少なからず存在します。それでも、「テキトーに爬虫類を飼って殺すこと」がくっきり犯罪として明記されたのは喜ばしいことだと思います。むしろ私たちはしっかりと法律を守り、爬虫類キーパーのモラルの高さを見せつけるべきでしょう。
 むしろ両生類が蚊帳の外でいいのでしょうかね。

1986年生まれ。幼少期より生き物と戯れて育つ。2011年、東京農工大学農学部獣医学科卒業。同年より小動物臨床に従事。在学中から、WordPressを利用してブログを書き始める。ニシアフリカトカゲモドキと出会った2014年に内容を一新、爬虫類ブログ「とかげもどきのしっぽ。」を立ち上げ、現在に至る。ニシアフリカトカゲモドキをはじめ、多くの爬虫類と暮らしている。

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