Voice-6 川口太平さん

      2016/02/05

川口太平さん 男性 小動物臨床医
飼育動物:ヒョウモントカゲモドキ、コガネオオトカゲ、ウォマ、ケヅメリクガメなど。

 爬虫類を飼い始めてからは、だいたい10年くらいになりますね。中学生の頃からです。それまでは、魚、肺魚なんかを飼っていました。もともと昆虫少年で、虫捕りばっかりしてたんですが、その流れで魚を飼うようになって。で、雑誌を見ていたら、バイパーボアが載っていて、それがかっこいいなと思って、飼い始めたんです。それからどんどん増えていきました。両親は、基本何も言わなかったですが、あまり増えてくると、いいかげんにしろよと。「獣医になるんだからいいんだ」なんてわけのわからない言い訳をしてましたけど。修学旅行なんかで家を空けるときは、リクガメの餌やりなんかを頼んでたので、リクガメは可愛がってる感じでしたね。
 今は、数……どれくらいだろう。かなりいます。ヒョウモントカゲモドキが30~40くらい、ヘビも合わせて20くらい。ウォマ、ボール、キイロアナコンダ……。オオトカゲが、イエローヘッドとサバンナ。グリーンイグアナがブルーとレッドといて、あとツギオトゲオイグアナ。ケヅメリクガメにロシアリクガメに、ニホンイシガメ、キボシイシガメ、ミシシッピニオイガメ、ジーベンロックナガクビガメ……。だいぶ増えました。
 だから、維持費はやっぱりかかります。冬だと、光熱費で4万円くらい。で、餌代が2万円くらいの計6万円くらい。夏場は光熱費は減りますけど、その分餌代が増えますよね。まあ、家賃みたいなものと思って払ってます(笑)。世話は、リクガメやイグアナの給餌以外は休みの日にまとめてするので、毎日の世話の時間はそれほどではないですね。ヘビとかオオトカゲとかは、だから給餌は週1回とか2回くらいでけっこう不定期になります。でも、肉食性の爬虫類はそのくらいの方が調子がよさそうですね。イエローヘッドはもう5年目ですが、まだまだいけそうな顔をしてます。
 餌は、ヒョウモンなんかは冷凍コオロギですね。デビュアなんかは、捕まえるのが面倒なので使ってません。人工飼料も、作るのが面倒で……。だから冷凍コオロギに月夜野ファームのマルベリーカルシウムをかけてあげてます。モニターは、親ウズラ主体で、あとはマウス。
 ヒョウモンは、大学生の頃から、何度も繁殖させています。殖やした個体は、だいたいここにいるんですが、友人に譲ったのもいますね。さすがに殖やしすぎたので、今年はもうやらないですけど。で、今度はウォマの繁殖に挑戦しようと思ってるんです。適当にやってるので殖えるかどうかわかりませんが。
 ただ、思い入れがあるのは、ケヅメリクガメですね。中3の頃から飼ってる個体なんですが、当時は、お金もないですし、いかに設備を簡素化して飼うか、ということばかり考えてたので、そのせいで成長不良にしてしまって。甲羅の変形とかはないんですが、全然大きくならなかったんですよ。今は自分も獣医師で、そういうのを叱る立場にあるわけですけど、過去の苦い思い出ということで、大事にするようにしています。ただ、夏場放し飼いにするようにして、しっかり手をかけるようになってからは、急に大きくなってきましたね。今は甲長30cmくらいです。名前はハクと言います。ええ、基本爬虫類に名前はつけないんですけど、リクガメだけにはつけてるんですよね……。呼ぶからですかね……。
 新しく生体を増やすのは、今は考えていないですね。イベントにはなるべく行ってますけど、毎回買うわけではないですし。ただ、イグアナ系は欲しいなとは思います。トゲオイグアナとか、かっこいいじゃないですか。昔は値段を見て、安売りになってるものを選んだりしてましたけど、今はもう値段ではなく、気に入ったものを買ってます。長い付き合いになるものだから、ちゃんと気に入ったものじゃないとつらいですよ。
 え、ニシアフ?……んー、おもしろそうですけど、ヒョウモンがこれだけいるので、ヤモリ系はなかなか……。見きれなくなっちゃうとあれですし。タマオヤモリとかも、飼ってみたいと思ってるんですけどね。
 情報はほとんど、本とネットから得ています。洋書はあんまり読まなくて、日本語の本ばかりですね。いちばんはネットです。YouTube見たりとか。前はビバリウムガイドをよく読んでいました。最近はクリーパーですね。前号揃えています。内容が濃いので、読んでて疲れちゃうこともありますけど(笑)。
 爬虫類仲間……ですか。あんまりそういう人はいないんです。だた、1人、すごいヘビにハマってる人がいます。ぶりくらに連れてったら、カーペットパイソンに一目惚れして飼い始めて、そこから一気に80匹くらいまで増やしちゃった人です。1年で。その人が、今度イベントに出展しようかと考えていて、その時は僕も一緒に出ようかな、とか思ってますね。
 獣医になろうと思ったのは、中学生の時です。動物が好きだったので、受験を意識しだしてからもう、獣医を目指すって決めてました。で、大阪出身なので大阪府立大学に行って。今の病院に勤めることにしたのは、エキゾチックアニマルの診療をしていて、自由にやらせてくれる方針だったからですね。実は研究室の教授と院長が同期なんですけど、そういうのはあまり意識せず、実習で「いいな」と思ったので就職しました。小型動物の撮影もできるマイクロCTがあるので、それも魅力ですね。僕が入る前は、爬虫類は院長がたまに診るくらいだったんですけど、ここ1年くらいで症例が増えてきて、毎日1、2件、多いと5、6件は来ています。やっぱり、食欲不振が主訴で来る例が多いですね。
 よく行くショップ……ですか。学生の頃は、SAURIAによく行ってましたね。あとは総合ペットショップでバイトをしていました。就職してからは、なかなか忙しくて、定期的にショップに行ったりはできてません。休日も、疲れて1日寝ちゃうことがほとんどですから(笑)。 臨床は大変です。
 爬虫類の魅力……うーん。なんでしょう。ロマンですかね。かっこいい。たまにかわいい……でも「かっこいい」ですね。なんでかわからないですけど、欲しくなってしまう……。
 症例研究は、続けていきたいです。今はリクガメの膀胱結石の研究をしていて、今度、ヘビの呼吸器疾患をやろうと思っています。こないだのSCAPARA(爬虫類と両生類のための臨床と病理の研究会)の大会で、ちょうどヘビの呼吸器疾患のことをやってたので、行けなくて悔しかったですね……。今度のエキゾチックペット研究会で、また発表はしたいと思っています。ただ、論文はなかなか。書くとなると、それにかかりっきりにならなければいけないので……。今は、犬猫のことも、他のエキゾのことも勉強しなくちゃいけないので、時間がなかなか足りません。ほんと、やることが山で大変です、臨床は。でも、開業を目指して、頑張っていきたいですね。

1986年生まれ。幼少期より生き物と戯れて育つ。2011年、東京農工大学農学部獣医学科卒業。同年より小動物臨床に従事。在学中から、WordPressを利用してブログを書き始める。ニシアフリカトカゲモドキと出会った2014年に内容を一新、爬虫類ブログ「とかげもどきのしっぽ。」を立ち上げ、現在に至る。ニシアフリカトカゲモドキをはじめ、多くの爬虫類と暮らしている。

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