ほぼ日。になりたい。

      2016/03/18

 とかげもどきのしっぽ。は、ニシアフリカトカゲモドキの魅力を世間に伝えるために作られたブログである。
 ブログを読んだ人が、「私もニシアフを飼ってみよう」と思ってくれることを目標にして、日々、私はブログを更新している。
 ここにあるすべてのコンテンツは、ひとつの例外もなく、それまでニシアフの「ニ」の字も知らなかったような人を、この生き物の虜にするために書かれたものだ。
 嘘だ、と言う人がいるかもしれない。
 電子書籍の未来がどうしたとか、この小説がおもしろかったとか、そんなのは、ニシアフとはなんの関係もないことじゃないか、と。ニシアフと関係のないことを書いて、どうしてニシアフの魅力を伝えることができるのかと、訝しむ人もいるだろう。
 確かに、私がしばしば投稿する身辺雑記や書評や時事ネタは、この天使のような生き物とはなんの関係もないものだ。落語の達人にだって、こじつけることは難しいに違いない。
 けれど、だからといって、それらのコンテンツが、ニシアフ教の布教に寄与しない、と考えるのは短見というものである。
 なぜなら、「あるもの」をプッシュするためのウェブサイトは、その「あるもの」の名前を検索窓に打ち込むことをそもそも思いつかないような人の目にも、とまるものでなければならないからだ。
 もし、このブログが、「ニシアフリカトカゲモドキ」という検索ワードで1位を獲得したとしても、それだけでは、「ニシアフリカトカゲモドキ」という言葉を知らず、それゆえそんな言葉で検索をしない人々の目にはとまらない。訪れてくれるのは、すでにニシアフリカトカゲモドキという言葉を知っている人だけである。その言葉で検索をかけるくらい、すでにニシアフに関心を持っている人たちが訪ねてくれるのはもちろん嬉しいことではあるのだけれど、そういう人「ばかり」では、「布教」としては意味がない。布教のためには、ニシアフの「ニ」の字も知らない人たちに、ブログを訪れてもらう必要がある。そのような人たちに、「こんなかわいい生き物がいるのだよ」と伝えるためには、そういう人たちでも入力しそうな検索ワードで、ブログが上位に表示されなければいけない。そのためには、「ニシアフリカトカゲモドキ」以外にも、様々なジャンルのネタをブログの中に仕込んでおかなければならないのである。
 人気タレントのバーターとして新人をキャストにねじ込んで知名度を稼ぐ芸能事務所の営業戦略と同じようなものが、「世間的に無名なものを知らしめる」試みには不可欠となる。たとえば「Twitter」という検索ワードでこのブログにたどり着いた人が、Twitterに関するエントリーを読む間に、ふっと目の端に映ったニシアフの画像に興味を持つ、というような形でしか、「知らない人に知ってもらう」という目的は果たせない。「ニシアフにはまるで関係のないネタ」は、関係がないどころか、「ニシアフネタ」と同じくらいに、ニシアフ布教ブログにとっては重要なものなのだ。
 だから、知人友人に頼んでまで、私はこのブログのネタの幅を広げようとしているのである(逆に、「ニシアフ」につられてやってきた人たちを、そちらの世界に送り込みたい、という気持ちもある)。
 最近考えるのは、「布教」という目的に純化するのであれば、いっそのこと、「とかげもどき速報」みたいな2chまとめサイトを作って芸能ネタ煽りタイトルでPVを稼いで、「ところで、変なタイトルだけどトカゲモドキって何?」みたいな疑問の発生を狙うのがいちばんかもしれない、ということだ。バカの壁を突き破って人に何かを伝えようとするなら、あるいはそれくらいの極端さが必要なのかもしれない、と思ったりもする。
 ただ、それはさすがにあんまりなので、まっとうな理想として、「ほぼ日刊イトイ新聞」みたいなものになったらいいのだろうなぁ、と思うのである。

1986年生まれ。幼少期より生き物と戯れて育つ。2011年、東京農工大学農学部獣医学科卒業。同年より小動物臨床に従事。在学中から、WordPressを利用してブログを書き始める。ニシアフリカトカゲモドキと出会った2014年に内容を一新、爬虫類ブログ「とかげもどきのしっぽ。」を立ち上げ、現在に至る。ニシアフリカトカゲモドキをはじめ、多くの爬虫類と暮らしている。

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