ルフィに学ぶ格上に勝つために必要なこと。

      2016/05/09

 遅れ馳せながらONE PIECE FILM Zを観てきました。
 感想を書き留めておこうと思います。結末を踏まえての感想となるので、これから作品を観ようと考えられている方はご注意下さい。
 簡単にあらすじを説明しておきます。
 今回の敵キャラ、Zは、元海軍大将という設定です。大将として海賊退治に尽力してきたものの、ある事件をきっかけに海軍と袂を分かち、独自の組織「ネオ海軍」として活動しています。ネオ海軍の目標は、新世界もろとも海賊を殲滅すること。新世界に3つある巨大なマグマだまり「エンドポイント」を爆破することで巨大な噴火を起こし、新世界そのものを無に帰そうとしているのです。その行動は過激過ぎるため、海軍も彼をマークしています。
 ひとつめのエンドポイントを爆破する際、現海軍大将の1人、ボルサリーノと交戦したZは負傷、意識を失ったまま漂流し、たまたま近海を通りかかった麦わらの一味に救助されます。はじめは友好的なムードだったものが、ルフィたちが海賊と知ると態度を一変、攻撃をしかけます。海楼石製の機関銃を仕込んだ義手を持つZの猛攻に、ルフィたちは苦戦。なんとか離脱し九死に一生を得ますが、Zの部下の能力者によって、ナミとチョッパーが子どもの姿に変えられてしまいます。
 ナミたちを元に戻すため、ルフィたちはZを追いかけ、再戦を挑む、というのが大まかな物語です。
 ひとつのエピソードが完結するたびに思うことなのですが今回も、「ルフィってやっぱりすごい奴だな」と私は思いました。
 どこがすごかったのか。
 戦闘力では到底Zに敵わないのに、「ぶれない芯の強さ」や「覚悟の大きさ」を見せつけることでZの心を屈伏させ、最終的に引き分けに持ち込んでしまうところが、です。
 今回、ルフィはZと、計3回交戦しますが、その3回の間のインターバルは極端に短く、1日程度のものです。だから、最初にZに完敗した時と、最後に引き分けに持ち込んだ時とで、ルフィの戦闘力には変化がありません。クロコダイルやCP9相手の時のように、弱点を突くべく戦略を練ったり、新技を開発したりして強くなったわけではないのです。
 それにも関わらず、ルフィはZを徐々に追い詰め、最後には引き分けに持ち込みます。この結果はZが、ルフィの持つ“何か”によって力を削がれていたからとしか考えられません。事実、ルフィと闘って、「もう身体が動かない」と言っていたはずのZはその後、Zとルフィ双方を片付けに来た海軍からルフィをかばい、大立ち回りを演じていたのですから。
 その“何か”こそ、ルフィの「ブレなさ」に他なりません。
 戦闘中、Zは執拗に、「なぜ海賊などをしている?」とルフィに問いかけます。ルフィの答えはブレません。「海賊王になるためだ。そのために命をかけている」と返します。そしてなぜかその度に、ルフィとZとの実力差が縮まっていくのです。
 おそらく、Zには自らのやっていることに、わずかな迷いがあったのではないかと思います。ルフィに何度も質問をするのはその現れ。海賊を殲滅するのはよくても、そのために世界を壊して、他の罪のない命まで巻き込むことは正義なのか、完全には確信できずにいたのでしょう。だから、ブレない心を持って闘うルフィに、無意識の内に引け目を感じてしまい、拳が鈍ったのです。
 今回のルフィは、戦闘力ではなく、信念の強さでもって、力では自分を上回る相手を倒しました。そういうことができることが、ルフィの強さの源泉なのだろうと、私は思います。
 勝つために本質的に必要なものは、力以外のものである。 今回の作品では、それを伝えているのではないでしょうか。
 無論、ルフィは日々身体を鍛えていますし、血反吐を吐くような厳しい修行をして力をつけています。だからこそ、Zの心を揺るがすまで、倒れないでいることができたわけで、力が“なくていい”わけではない。
 しかし、最終的に勝負を決定づけるのは、そこにかぶさってくる「芯」の強さなのだろうと思います。
 ルフィのようにブレない芯を、持ちたいものです。

1986年生まれ。幼少期より生き物と戯れて育つ。2011年、東京農工大学農学部獣医学科卒業。同年より小動物臨床に従事。在学中から、WordPressを利用してブログを書き始める。ニシアフリカトカゲモドキと出会った2014年に内容を一新、爬虫類ブログ「とかげもどきのしっぽ。」を立ち上げ、現在に至る。ニシアフリカトカゲモドキをはじめ、多くの爬虫類と暮らしている。

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