引っ越し

 ニシアフリカトカゲモドキは、激しい環境の変化を好みません。なるべく安定した環境で飼育するのが望ましい生き物です。
 とはいえ、私たちの生活の中には、彼らを、大きな変化に晒さなくてはいけない時もあります。
 たとえば、進学・就職・結婚などで、引っ越さなくてはいけなくなったとき。
 あるいは、どうしても、手放さなくてはいけなくなったとき。
 そういう時には、トカゲモドキたちにも、移動に付き合ってもらわなくてはいけません。
 少しの時間ならばいいけれど、長い距離を移動させなくてはいけないときは、彼らが体調を崩さないか、心配になりますよね。
 そんな時にどうすればいいのでしょうか。

移動前は餌を与えない

 個体の中には、移動のストレスや、乗り物酔いで、移動中に嘔吐するものもいます。嘔吐すると体力を消耗しますし、吐いた分水分を喪失して脱水しやすくなってしまいます。また、状況によっては吐物を誤嚥し、気道が詰まってしまうこともあるかもしれません。ですから、移動前はなるべく、お腹の中がからっぽになっていることが理想的です。体調によってもどれくらい前から絶食させるかは違ってきますが、いずれにせよ移動の前は、餌を与えないようにしましょう。ただし、脱水しないように水分は与えておきます。

小さな容器で運ぶ

 移動中、トカゲモドキたちは周囲を警戒して落ち着かず、もぞもぞと動き回ります。体に対して大きな容器に入れておくと、無駄に動きまわることで体力を消耗してしまいます。また、自動車に載せて移動させる時は、急ブレーキをかけたりカーブを曲がったりした際に、ケージの中でふっとんで壁にぶつかり、体を痛めてしまうかもしれません。移動の際には、彼らの体がちょうど収まるくらいの小さな容器を使いましょう。ショップでの販売時に入っていたカップなどをとっておくと便利です。通気性を保つため、容器には空気穴を多めに開けておきます。中にはキッチンペーパーなど、容器の中で生体が排泄をしてしまっても吸着してくれるものを敷いておきます。暗い方が彼らは落ち着きますから、通気を妨げない程度に、新聞紙などでくるんでしまうとよいでしょう。

移動用カップ

小さなカップに入れて運ぶとよい

保温バッグを活用する

 自動車での移動であれば、エアコンで車内を適当な温度に保つことができますが、それ以外の方法で移動させる場合は、季節によっては温度が上がりすぎてしまったり、下がりすぎてしまったりすることがあります。それを防ぐために、運搬の際は断熱素材で作られた入れ物に容器を入れるのがおすすめです。お弁当を入れる保冷バッグが便利かと思います。1、2匹なら普段仕事や学校に持っていくのと同じくらいのサイズで十分でしょう。数が多い場合は、ピクニック用の大型のものが使えます。
 バッグには、夏場なら一緒に冷えた水を入れたペットボトル程度を入れておきます。保冷剤を、冷凍庫ではなく冷蔵庫に入れて冷やしたものを使ってもいいかもしれません。冬場は、小さめのホッカイロを新聞紙などで包んで入れておきます。いずれにせよ、温度が「上がり過ぎない」「下がり過ぎない」ことが目標なので、あまりキンキンに冷やしたり、ぽかぽかにする必要はありません。

保温バッグ

保温バッグ

車なら安全運転で

 さきほど、乗り物酔いで吐く個体もいると書きましたが、急な加速・減速・車線変更を繰り返すようなラフな運転をすればなお酔いやすくなってしまいます。制限速度を守って、安全運転を心がけましょう。何より事故を起こしたら、死ぬのはあなただけではありません。

到着したら早めに水を飲ませる

 移動が完了したら、早めに水を飲ませます。特に夏場などは、何時間も水を飲まなければ容易に脱水してしまいますから、到着したらまずは水分を取らせるようにしましょう。移動があまりに長時間になる場合には、移動途中でも機会を見つけて水を与えることが望ましいです。餌は与えなくて構いません。移動のストレスで食欲も低下しているでしょうから、当日は餌を与えず、ゆっくりやすませてあげましょう。

 概ね、以上のことに気をつければ、ストレスを抑えて、トカゲモドキを運搬することができるのではないかと思います。
 引っ越し・譲渡等のご予定のある方は、参考にしてみてください。

公開日:
最終更新日:2016/05/08